自分で専攻を作っちゃえ!❶ ~Independent Majorについて~

みなさんお久しぶりです。ぴょんです。リベラルアーツについて思うこと Vol.2 が書ききれないままでいますが、そちらの記事はもう少しお待ち頂けると嬉しいです。

今回は、私の専攻、independent majorを紹介したいと思います。書き始めたらこちらも長くなってしまったので、2回に分けてお伝えします。

Independent Majorってなぁに?

“Independent Major”は直訳すると「自主の・独立した専攻」。実際にもまさにその通りで、自分の興味のあることに沿って独自の専攻をデザインできるプログラムです。Grinnell Collageの既存の専攻ではカバーしきれない学問・トピックに興味を持った生徒が、2~4つのデパートメント(学部)から授業を選び、専攻を自分で形作っていきます。建築やエンジニアリング、ジャーナリズムなどの実践的な専攻が存在せず、”Pure(純粋な) major(専攻)” と呼ばれる基礎的な学問(「数学」「生物」「英語」「社会学」「芸術」etc.)の専攻しかないGrinnell Collageならではのシステムですね。1つや2つの専攻では網羅できないトピックも世の中には沢山ありますから。私は自分の専攻を “Urban Planning and Design (都市設計・デザイン)” と名付け、Environmental Science(環境科学)、Art History(芸術史)、Psychology(心理学)の3つのデパートメントからのコースを核に専攻に必要な科目を決めていきました。Grinnell Collegeには既存のUrban Planning やUrban Designのコースはないので、他大学のそれも参考にしました。

手続きは既存の専攻とどう違うの?

既存の専攻での手続き方法を詳しく知りたい方は、はりんろんさんのこの記事https://grinnell-in-japan.com/?p=2578を参考にしてください。

期限:Grinnell Collageでは2年生の4月までに専攻を決めなければなりません。Independent Majorも締め切りは一緒ですが、そのIndependent Majorが大学から認められるかの審査が少し時間がかかるので、Independent Majorが認めらず既存の専攻を申請しなければならない時のことも考慮し早めに申請しましょう。

アドバイザー:そもそもアドバイザーとはなんぞや?という方は、ゆーやさんのこの記事https://grinnell-in-japan.com/?p=2481に詳しい説明が載っています。既存の専攻で申請する場合アドバイザーは専攻するデパートメントからの教授一人で良いのですが、Independent Majorの場合はアドバイザーが二人必要です。自分の興味のある分野に詳しい教授や、そうでなくとも心から信頼できる教授を探して、アドバイザーになってもらえないか相談してみましょう。私は、建築にも詳しいArt Historyの教授と、専攻には関係のないのですがとても信頼しているPolitical Science(政治科学)の教授にアドバイザーになって頂きました。

必要な書類:Independent Majorを申請するのに必要な書類も、既存の専攻とほとんど変わらず、4年間の授業計画表となぜその専攻にしたいのかを説明する短いエッセイの二点です。ただ、二点とも準備するのに既存の専攻に比べると大変な労力を必要とするので覚悟しておきましょう。例えば4年間の授業計画表。既存の選考の場合、各デパートメントのカリキュラム(その中でも選択科目あり)+自由選択となり、最低限の基準さえクリアすれば自由がききます。また専攻内の決められたカリキュラムのおかげで、どの授業を取れば良いか途方にくれるという事はあまりありません。一方でIndependent Majorの場合、そもそもどのデパートメントから授業を取るのか、授業レベルが基準を満たしているか(300番台の授業が8クレジット以上ある、100番台のクラスは一つ以下などなど)、理論系と実践系の授業比率のバランスは取れているか、そして何より「自身の掲げたIndependent Majorのテーマに沿った授業であると、大学や教授が納得する授業選択か」、等々考えなければならないことがたくさんあります(笑) エッセイも同じく、何故そのデパートメントの組み合わせでIndependent Majorを作るのか、どうして既存の専攻ではダメなのか、何故既存の専攻+自由選択ではカバーできないのか、ダブルメジャーではダメなのはどうしてか、などなど誰に攻撃されても痛くないような(?)説明をしなければなりません。大学側も、教授達も、ただ好き放題気になる授業を取りたいからIndependent Majorをしたいという学生は受け付けないので、強いリーズニングが必要になります。

卒論:Grinnell Collageで既存の専攻で卒業するには、基本的に卒論は必要ありません。しかし、Independent Majorは卒論なしでは卒業できません!! 実は、この卒論がくせもので、Independent Majorでありながら卒論が終わらず、泣く泣く既存の専攻に卒業直前に変更するという生徒も一定数いるそうです。というのも、「テーマを決めリサーチ方法を考えリサーチし考察してまとめる」という膨大な作業を1学期で終えなければならないからです。しかも、卒論を書かないのが当たり前の大学で、道しるべもあまりないまま進めなければならないので、実は私もちょっとドキドキしています(笑) しかし、自分の興味のあることを自由に納得のいくまで追求できるのは、とても楽しみでもあります。ぴょんのチャレンジ、温かく見守って頂けると嬉しいです。

このIndependent Major、とてもワクワクする専攻なのですが、もちろんメリット・デメリットあります。次回はIndependent Majorのメリット・デメリットについてお伝えしようと思います。