グリネル最終学期〜研究、授業、進路〜

お久しぶりです、とぅるんです。

いよいよ卒業になりました。春学期がグリネルでの最後の学期になります。1年生から物理や数学や色々な科目を履修して紹介してきました。今回も、今学期の授業や研究のこと、それから卒業後の進路のことをお話ししようと思います。

グリネル6学期目〜やっとやりたい事が出来てきた!〜
こんにちは、とぅるんです。 2023年初めての投稿になります!書こうとは思ってたけど全然開いてなかった...!ごめんね!!! ...

4年生の時間割は?

グリネルでは1学期に4クラス16単位を取るのが基本ですが、自分の場合は過去3年間に必要な単位を十分取れていたので、今学期・先学期と3クラス+αでスケジュールを組みました。意図としては、先学期には大学院への出願があったのでそれに時間を割きたかったのと、最後の学期は負担を減らして楽に過ごしたかったからです。

週に授業が7個(50分×3、90分×4)と実験が3時間×2あり、金曜の午後は初めて授業なしのスケジュールを組むことができました。そのため近くのデモインへご飯食べに行ったり自由な時間が増えて良かったと思います。

PHY462: Advanced Lab (物理)

物理専攻は4年生の最後に実験の授業を取ります。これは3年生以下の実験の授業よりももう少し専門的で、4週間で1つ、計3つの実験をしてレポートを書きます。最終的には論文形式のペーパーやポスターを制作し、より研究色の高い実験をすることができました。僕がやったのはプリズムとレーザーを使った漏れ全反射の実験、大気圏から振るμ粒子の検出と検出版の角度の関連性の実験、μ粒子の寿命を計る実験です。授業内で研究に近い経験と教授からのフィードバックが得られたのが良かったです。

STA310: 統計モデリング

統計を副専攻で取っています。この授業は唯一の必須授業で、R言語を使ったデータのモデリングと推計を勉強する授業です。以前STA335、STA336の授業で習った理論をモデリングで応用させるのが、過去の授業と関連してていい復習になります。教授がすごくいい人でOffice Hourで色々質問しやすいのがいいところだと思います。グリネルの統計はCSや経済など応用からくる人と数学や物理の理論からくる人が混ざるので、どちらも見ていて視点が違って面白かったです。

PHI253: 心の哲学

英題だとPhilosophy of Mindで、哲学の中でも心理学や神経科学に近い分野の分析系哲学の授業です。教授が入門のクラスを2年前にとったことのある先生で、専門が形而上学系なので議論が難しく苦戦しています。生き物に意識はあるか、体と心がどのように連動して生きているのか、科学の視点から哲学するのがとても面白い授業です。余裕があれば、哲学も専攻しておけば良かったな、と今思います。。。

REL295: 仏教と資本経済

4年間の中で宗教学の授業を取ったことがなく特に仏教の授業を受けてみたかったので取りました。過去に経済学を多く取っていたこともあり、経済に仏教や宗教がどう関わっているのか気になっていたのでとてもタメになる授業です。授業内では、実際に近くにあるミャンマー系の寺院を訪れてお坊さんに話を聞くことができました。自分の知っている仏教だけでなく、また違った形の仏教や考え方を知れて、アメリカ内での仏教の存在感を理解できて良かったなと思います。

まとめ

以上の通り、今学期は比較的専攻の授業が少なく比較的余裕のあるスケジュールでした。というのも進学先の事を考えたり研究も続けたり、授業以外にもやるべき事が並行してあったのでこのようなスケジュールになりました。また最終学期ということもあり単位も足りていてギチギチに詰めるのもどうかなと思ったので、3年生まで頑張っていて良かったと思います。

今学期は楽しいイベントも多くありました。毎年4月にはCultural Festivalという留学生がダンスや歌のパフォーマンスをするイベントがありすごく盛り上がります!今年は日本人学生でペンライトを使ったオタ芸やアイドルダンスを披露しました。

私がドラァグクイーンデビュー?! #なぜ
今学期もいよいよ終盤!!!イベント盛り沢山な時期に差し掛かってきまして毎日毎週目まぐるしく過ごしています!!!!なんとか縋り付いている限界...

5月には初めてオーロラをアイオワで見ることができました。アイオワは夜になると暗いので星がよく見えて綺麗です。人生で初めてオーロラをみれて良かったです。

研究のこと、進路のこと

先ほども述べた通り、今学期も夏から始めた研究を継続して教授の指導のもと行いました。今学期は1月にニューオーリンズの学会で研究発表を終えたり、今後論文作成に関わる大事な結果が得られたので、1年通して研究の経験が得られたのが良かったです。

今年はグリネルで研究してます〜MAP生の1日〜
お久しぶりです、とぅるんです。 暑い日が続いていますね。日焼け止めを塗っても毎年しっかり日焼けします。 海外大学生の夏...

グリネルでは、夏のMAPを終えても、1. 授業として研究を継続する、2. 仕事として研究を継続する、の2つの手段で継続することができます。1.のメリットは教授が研究のスケジュールや課題を作ってくれるのでフィードバックがより的確になる点で、逆にデメリットは授業と同じだけ時間を使わないといけなく大変な点です。それに対して2. のメリットはお金を得られてできる点と自分の好きなスケジュールで気軽にできる点で、デメリットは夏よりもフィードバックやサポートが密ではなくなるといった点です。自分は授業にして単位を得る必要がなかったのと費やす時間も最低限にしたかったので、2.を選んで先学期からやってきましたが、夏に出た結果より更に深めることができて、結果初めて学会発表できたし、今後は論文作成に結びつけてくれるそうなので(卒業後になりますが)、続けてきて良かったなと思います。自分の中でもグリネルで最もいい経験になったと思います。

卒業後はカリフォルニアで、兼ねてからやりたかった宇宙工学の大学院に行く事に決めました。特に過去に勉強した非線形力学、最適化、統計物理などの分野が好きだったので、それを軌道力学の分野に応用した研究をやりたいと思っています。研究でやっていた宇宙物理と分野は多少異なりますが、研究内容的にはどちらもシミュレーションでやることは近いので、過去の経験を活かせたらと思っています。就職より大学院を選んだのは大学を終えてから就職したいという気持ちが強かったのと、宇宙工学の学位を取ってから就職したいと思っていたからです。日本で大学院に行く選択肢もありましたが、アメリカで勉強できる機会を今回得られたので、就職のチャンスも広がるかなと思いアメリカの大学院に行く事に決めました。

最後に

いかがでしたか?4年生になって大学生活も締めに入り、日々新しさを感じることは少なくなった一方、今年一年は研究の面で大きく成長できたのかなと思えた一年でした。グリネルはド田舎で学生も少なく、4年間を通して苦労もありながら人生の中で貴重な経験ができました。特に、同じ年齢層の人たちが集まって暮らして一緒に勉強するという環境はグリネルにしかない特徴だと思いますし、日本に残って大学生活を過ごすのとは全く違う経験が得られて良かったと思います。自分のコンフォートゾーンから抜け出して4年間グリネルで過ごしてみたいと思った人は、是非アプライしてみて下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。