皆さんこんにちは!Kosukeです。ブログの記事を書こうと思って気が付いたら2年間も経っていました。そしていつの間にか大学も卒業していました…。先日イヤー・ブック(卒業アルバム)と卒業証書が届き、大学のオンライン・ポータルのアクセスも解除されたのでグリネルとも完全にさよならです。
近況報告
新型コロナウイルスの影響で他校の例にもれずグリネル大学も3月中旬にキャンパスが閉鎖されました。学生の多くが家族のもとへ帰ったのですが、僕は米国の大学院が夏から始まるという事で(結局秋に延期)うかうか日本に帰ることもできず、友人宅があるコロナ禍のニューヨークに移り住みました。
4月初旬ごろにはニューヨーク州の1日当たり新規患者が1万人を超え、世紀末の様相でした。家の前を救急車が30分おきくらいにサイレンを鳴らして通り過ぎていました。エンパイアステートビルは緊急事態宣言の中真っ赤なライトアップで照らされ街は静まり返り、まさに死と隣り合わせの感覚でした。7月現在の新規患者数は1日当たり600人ほどにまで落ち着いたので穏やかな日常が戻りつつあります(それでもまだ多いですが…)。
4年間を振り返って
グリネル大学では政治学とフランス文学を専攻しました。政治学は分野にもよりますが、現在進行している政治や社会問題を分析する学問ですので、ニュースで見る社会でいま起きている事を学問的、批判的視点から考察出来るようになったと思います。また4年間を通してフランス語と英語を深く勉強し、トリリンガルになれたことも貴重な財産です。
またそれ以上に、米国人の友人やフランス留学を通してフランス人の友人が多くできたのはとてもかけがえのない経験でした。今米国では人種間の断絶が大きなテーマになっていますが、生まれた国も育った環境も違う、一見共通点もないのに気が合う友人をバックグラウンドの垣根を越えて作れたことは嬉しい限りです。今では大切な友人の多くが英語やフランス語を介して親しくなった人たちで、もし自分が日本語しか知らなかったら彼らと知り合うことはなかったと思うと恐ろしいです。
グリネルに初めて来たとき、今思うと自分は世間知らずで自分が誰であるかもいまいち分かってなかったのかなと思います。1学期目は結局グリネルの新しい生活に慣れたり勉強に手一杯でした。1年生の2学期目以降様々な人間関係を通してたぶん自分はこういう人間なんだろうと理解し、また色々な活動を経てようやく世界を知ったのかなと思います。過酷なカリキュラムを通して知的にも非常に成長しましたし、グリネルでの4年間はおそらく自分の人格形成に人生で一番大きく影響を及ぼした時期だったと思います。
会計学修士課程に進学するという選択
フランスに留学していた3年生の2学期。就活は既に進めていましたが、具体的に自分の将来について熟考したのはこの時が初めてでした。一般企業に就職して日本で暮らすのも悪くないけれど、せっかく海外で経験を積んだのだから挫折するまで海外で挑戦し続けたいし、それが多分失敗しても後悔しない自分の納得する道だと思い、海外での就職を目指し始めました。
というわけで海外で活躍するための具体的な方法を探していた折り最終的に会計に行き着きました。まず、特に米国で就職するためにはコーディングなど何かしらのスキルか博士の学位が必要です。自分は今からコンピュータ・サイエンスを学ぶのも博士を目指すのも、コミットする時間や労力が大きすぎる上に仕事が約束されておらず、リスクの割にリターンが小さいと思いました。
一方、会計を学ぶのは特に言語学習と非常によく似たプロセスで、勉強していて自分の今まで積み上げた知識や能力を大きく活かせると感じました。スキルとしても会計士は経済活動がある限り世界中どこでも必要とされる仕事で、海外展開する日系企業に日本人の会計士はコンスタントに需要があります。長期的なキャリアパスも、企業のフィナンシャル・アドバイザリーだったり国際機関のアカウンティング・プロフェッショナルだったりと、国を超えて仕事をするには打って付けの職業技能です。リスクの割にリターンが大きくヘッジも良く効く選択だと思いました。
学位が重視される米国で会計士を目指すなら会計学修士の学位は必須で、日本で一回就職して働きながら試験を受けたりエッセイを書いたりするくらいなら今のうちに進学してしまおうと思い出願しました。そして最終的に、プログラムの質とグリネルのように学生一人一人に合った教育機会を提供するという方針に惹かれ、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の会計学修士課程に進学を決めました。グリネルのように学費全額免除とはなりませんでしたが、奨学金を少し出してもらい、また1年間のプログラムなので米国の大学院にしては費用はかなり低く抑えることが出来ました。
海外大学進学を考えている方々へ
いつも海外大学進学を考えている方々にアドバイスしている事なのですが、結局どの国のどの大学に行っても将来はその一つの選択で決まることはありません。日本の大学に行って海外の大学院に進学する人もいれば、海外の大学を出て日本の一般企業に就職する人もいます。米国の一流リベラルアーツ・カレッジが合わなくてドロップアウトする人もいれば、コミュニティカレッジを出てトップスクールに編入する人もいます。だから気楽に様々な可能性に目を向けるべきで、どんな結果になっても結局自分の頑張り次第で結局行くべき道に行きつくと思います。
また、失敗を恐れず大きく挑戦しつつも、中長期的な視点での戦略立案とリサーチ、リスクヘッジを忘れないようにしましょう。例えば、将来海外で働きたいから米国の大学で国際関係学を学びたいというのはいいですが、国際関係学を学んで具体的にどういう職業に就けるのか、ちゃんと調べていますか?もちろん将来やりたい事が分からないなら何を学んでもいいと思いますし、自分もそうでした。ただ、米国の大学に進学するとか、海外で働きたいとか目標があるなら現実的な戦略は立てるべきです。
自分は海外進学実績のない都立高校の出身ですので、当時大して知識もないのに「海外大学なんて難しいし学費も高いんだから日本の大学にしておけ」という先生が2人ほどいました。自分としてはリサーチをして奨学金を利用した海外進学が不可能ではない事は知っていましたから、そうした先生には耳を貸さず、最悪コミュニティ・カレッジ等も視野に入れて勉強していました。大学後の進路も会計学を学ぶプランで本当に海外で働くという自分の目標を達成し得るかかなりリサーチしましたし、今は米国で就職できない可能性も十分に視野に入れてキャリア・プランを練っています。
最後に
大学3年生以降、大して記事も書いておりませんでしたが4年間読んでいただいた方々、どうも有難うございました。グリネルの日本人学生の素の様子をお伝えできたかなと思います。今回の記事で自分のぐりねりすの投稿は最後になると思いますが、これからもぐりねりすをよろしくお願い致します。
それでは、
Kosuke 7/30/2020
コメント
Quantum Mechanics、Nuclear Fusion Energy、Cyber Security、Generated Pre-trained Transformer、Computer Scienceなどの分野で生きていく能力を身につけることが必要だと思います。