数学の研究って何をやるの?

ぐずぐずしていたら前回の自己紹介の投稿から一年も経ってしまいました!もうすぐ4年生になるラマです。今回は私がこの夏にやっている、数学の研究についてQ&A形式で紹介します。

そもそも、何をしているの?

Research Experiences for Undergraduates(REU)というプログラムで純粋数学の研究をしています。MAP(MAP?という方はりんろんさんの⓵MAP参加してきましたをどうぞ!)がグリネルの教授と生徒が一緒に研究をする機会であるのに対して、REUでは違う大学の生徒や教授と研究できます。残念ながらパンデミックの影響でオンラインなので、私はグリネルに住みながらZoomで参加しています。

MAPとREUにはそれぞれメリット・デメリットがありますが、グリネルの純粋数学のMAPは非常に選択肢が少ない(年度によっては存在しない)ので私はREUに応募しました。REUはNSFというアメリカの政府の機関からお金をもらって運営されているので、留学生を受け入れていなかったり、留学生には賃金を支払わなかったりするプログラムが多いことが大きなデメリットです。私もお給料がもらえなかったので、グリネルのInternship Fundingで生活しています。本当にありがたいです。

なんで数学の研究をしているの?

脳みそを限界まで酷使していろいろ考えるのが楽しいからです。ムキムキの筋肉が欲しかったら筋トレをするように、私はムキムキの脳みそをゲットしたいので、数学の研究をしています。

数学の研究って想像がつかないのだけど…?

私も去年の夏に実際にやってみるまでは正直どんな感じかさっぱりわからなかったです。だいたい、教授が面白そうなトピックと論文をいくつか見つけてきてくれて、その内容ををちょっと一般化してみることが多い気がします。例えば、定理の仮定を変えてみたり、低次元の定理を高次元に応用してみたり、面白い定理の新しい証明をみつけたり。いろいろですね。

この夏は組合せ幾何学という分野で、ざっくりいうと、ハムサンドイッチの定理の一般化を研究しています。ハムサンドイッチの定理は、だいたいどんな形のハムとチーズとパン(それぞれ一切れ)のサンドイッチでも、包丁で一回切って、ハム、チーズ、パンをそれぞれちょうど半分にすることができる、ということを証明しています。で、私はこれを、包丁(線や面)じゃなくて、丸とか四角とか三角とかで切れるかな、ということを考えています。

どんな一日を過ごしているの?

8:00 起床 朝ごはんを食べて、お弁当を詰めます。だいたい朝ごはんはヨーグルトと果物で、弁当は昨日の残りもの。

9:00 登校 家から15分くらい歩いて学校へ!暑いので日陰を探しながら歩きます。その日の気分によってHSSC(文系の建物)かNoyce(理系の建物)のどっちにするか決めます。

10:00 教授とミーティング 私が新しく思いついたアイディアや、関連のある論文について話します。これからの研究の指針を決めたり、プレゼンが控えているときは、リハーサルをしてアドバイスをもらったりもします。

11:30 昼食 一日の楽しみ!!

12:00 研究1 教授と話した新しいアイディアを実際に証明してみたり、反例を探してみたり。関連した予想を立てたり、論文を読んでヒントを得たりします。

14:00 レクリエーション 同じREUに参加している8人の教授と15人の生徒でZoomでゲームをして遊びます。これが結構盛り上がって楽しい。

15:30 研究2 研究1と同じです。学会で発表するためのプレゼンを準備したり、証明した定理をまとめた論文を書き始めたり。

17:00 帰宅 Farm Houseというグリネルの寮の一つが、個人で野菜を育てられる小さい土地を貸してくれているので、そこで収穫したり、雑草を抜いたりしてから帰ります。最近はいんげんとズッキーニがよく取れます。

19:00 二回目の登校 夕飯を作って食べたら、もう一度学校へ行きます。家だとあんまり集中できないんですよね。やることは日中の研究の時間とほぼ同じです。

22:30 二回目の帰宅 お風呂に入って、12時ごろに寝ます。

ほかにも、グループで一緒に研究しているほかの生徒と三人でミーティングしたり、アイディアが思いつかないときには学校の周りを散歩したりしています。

と、こんな感じで数学の研究をしながらグリネルの夏を過ごしています。思った以上に長くなってしまいましたが、数学やグリネル生の夏の過ごし方に興味がある方に少しでも参考になれば!次の投稿は一年も空けないようにします…それではまた!