グリネル生の夏休み・インターンシップ中編

前編より続く

Kwame

自分がインターンシップを始めて、資本主義を支える側に立ち、自分のプリビレッジを高めるために働くということは、自分の政治的信念と背反し非常に罪悪感があった。自分は何でもシンプルな結論を求めようとする部分があり、少し急進的になってしまったと思うが、グリネルで真面目にリベラルの思想に向き合っていればこうした葛藤は誰でもあると思う。在学中はリベラルの様に振る舞い、そのまま当たり前のように大企業などに就職する学生には失望する。

現在は、結局プリビレッジや資本主義の定義も自分の中で曖昧で、倦厭する前にもう少し勉強したほうがいいと考えている。また、現実の生活を考えると、経済的自立なしには生きられないし、お金、プリビレッジがないとできない人道支援もある。システムを作っているのは資本者側なのだから、プリビレッジの構造を変えるためにはシステムの中に入らないといけないのかもしれない。貨幣経済と資本主義はそもそも違うし、本当にプリビレッジをはく奪されたことがないから現実を見ないで、プリビレッジに嫌悪を示せるこれまたプリビレッジがあるのかもしれない。

一時期は、カフェに行きたいとかビジネスでキャリアを積みたいとか、すべての欲求が資本主義の仕組みに支配された欲求だと思い、今までの人生、ずっと支配に気づかなかった自分が嫌いになった。自分は資本主義に支配されていることに気が付かずプリビレッジを高めるために努力してきたのか、と自分の人生に絶望した。しかしⅯ先輩から上記のような違う視点で意見を言っていただき、少し世界の見方が楽になった。結局資本主義もプリビレッジも人間が作り出した社会的建設にしかすぎず、人間自体がそんなものに支配されるわけではないのかな、と思った。Ⅿ先輩のように聡明な方は日本にも沢山いるかもしれないが、同じグリネル生としての視点を持ってらっしゃるので、やはり共感したり学ぶ部分が多い。

Kwame

後編に続く