グリネルに来るべき理由〜合格シーズン特集勝手に始めました〜

高校三年生にとっては、海外大学合格シーズンですね。海外大学に合格された方、おめでとうございます。(ちょっと遅いか!?)

どこの大学に行くか悩ましいかもしれませんね。そこで今回は、ターゲットをリベラルアーツ大学志望者(とその保護者さん)に絞って、グリネル大学に来るべき理由について書きたいと思います。(冷静に考えて、アイビーリーグ受かってグリネルに来る人はいませんよね笑)グリネル至上主義のプロパガンダではありませんのでご安心ください。なお、これから書くことは、四年間どっぷりグリネルに浸かった人間の言葉だということを考慮して読んでください笑。

1. グリネルはお金持ち

資本主義社会アメリカにおいて、お金を無視することはできないでしょう。やはり「お金=機会(オポチュニティ)」という等式が成り立ちます。この点に関して、グリネルは小規模大学の中で有数のお金持ち大学です。分かりやすい指標は、大学へのendowment(寄付金)です。グリネルは2016年には約$1.6 billion(約1800億円)を記録しました。基本的に大学はこの寄付金を運用して活動費に充てます。つまり、ものすごくざっくりと言うと寄付金が多いほどお金持ちということです。(参考までに、おとなりのM大学やC大学の約二倍です。)

このお金で、グリネル生はどんなメリットを享受しているのか、四点ほど紹介します。

①奨学金、②リサーチ、③キャリア開発、④設備

①グリネルは留学生にも比較的多く奨学金を出すことで知られており、自分も学費の半分ほどを返済不要の奨学金で賄っています。

②グリネルは小規模な大学ながら学部生でも学術研究に参加する機会を多く設けています(特に科学分野で顕著という印象です)。僕は二年生から一年ほど行動神経科学の研究に携わりました。その際、研究費を多く貰って研究することができたり、夏休みの生活費を出してくれたりしました。

③グリネルにはいわゆるキャリア・デベロップメントの機会が多くあります。おかもが書いたようなエクスターンシップもその一例です。他には、無給のインターンシップをする際に生活費などが大学から支給される基金もあります。また、秋休みや春休みに、卒業生が働いている企業やNPOなどを訪問するツアーなどなど、自分のキャリア形成をサポートしてくれる体制が少なからず整っています。

④グリネルは設備が充実しています。スポーツに関しては、各部活専用の練習場があったり(多分)、オリンピックサイズのプールがあったりします(もちろんジムもあります)。また科学専用の校舎はずっとありましたが、今度は社会科学や人文系の設備を補強するための工事をしている最中です。

このように、大学は豊富な資金を(基本的には)学生に還元しているので、その恩恵を存分に受けられるのは大きなアドバンテージだと思います。

2. 否応無く、diversityやinclusionについて考えさせられる

「本当の意味でのdiversityやinclusionって、どういうことなの?」

この項目では、今キャンパスでのホットトピックの一つであるアドミッションオフィス新設問題を通してこの質問について考えたいと思います。

最近、グリネルは「今のアドミッションオフィスはキャンパスの隅にあってかつ暖かい雰囲気がしないため、見学に来た保護者や入学志願者を迎え入れる場として適切ではないのではないか」などという理由で(勿論、他にももっと真っ当な理由があるんでしょうが)新しいアドミッションオフィスをキャンパスの中心に建てるという計画を進めています。

このオフィスを建てるために、現存しているCRSSJ(Center for Religion, Spirituality, and Social Justice)という、様々な宗教・文化・社会正義の活動の場を提供してくれる建物(詳しくはこちら)を移転させることになったのですが、ここである問題が浮上しました。当初の移転先にイスラムとヒンドゥー教徒の祈りのスペースが十分に確保されていないことが発覚し、多くの学生から批判の声が挙がりました。特に、大学として公にダイバーシティを標榜しておきながら、在学している学生が本当に心地よく生活できる環境を考えていないのではないか、という意見が多かったです(ちなみに、現在は学生からの強い要望により、当初の案を修正してスペースを広げる話が進んでいます)。

ここで、冒頭の質問をもう一度。本当の意味でのdiversityやinclusionって、どういうことなのか?留学生が多ければいいのか?有色人種(=白人以外)の学生が多ければいいのか?そのように、世間の考える「ダイバーシティ」を分かりやすく体現している学生が「%」という数字・指標に成り下がって、大学のパンフレットで宣伝文句に使われているのではないか?

大学としてダイバーシティに本当の意味でコミットするということは、国・人種・民族・宗教・性別・性的嗜好・経済状況など、どんなアイデンティティを持った人でも気持ちよく生活できる場を提供することではないでしょうか?

少なくとも僕はそう考えます。そして、個人レベルではダイバーシティにコミットしている人間が多いと感じますが、組織レベルで考えるとグリネルはまだ足りない部分が多いと思います(当然、そんな現実的に簡単に理想郷なんて作れるものではありませんが)。例えば、留学生を積極的に受け入れ、今や大学の約1/5を占めるようになりましたが、その留学生をサポートするオフィスにフルタイムで働いているのはたったの三人。僕は今年Office of International Student Affairsとコミュニケーションをとる機会が多いですが、明らかに人手不足に悩まされています(それでも、他の大学と比べるとマシな方だそうです…)。

そう考えると、学生や保護者を受け入れやすくするためにアドミッションオフィスは新設するのに、今いる学生をサポートする体制は十分に整えないのか、お金の使い所違うんじゃないの?と考えてしまいますよね。

長くなってしまいましたが、無理やりまとめると、グリネルに来て、色々な意味でのダイバーシティについて考え、議論すると、巷に溢れる「グローバル化」という言葉の浅はかさに気づくのではないでしょうか。

3. Self-governanceを養う

グリネルのバズワードランキングナンバーワンはやはり「self-gov」(詳しくはこちら)。

土曜の深夜1時

A「ちょっと、君の部屋から聞こえる音楽がうるさくて眠れないから、少し音量を落としてくれ。」

B「わかった。寝ようとしている人に配慮していなくてごめんね。」

これはSelf-gov入門の際に聞かされる一例です。ざっくりと言うと、何か問題(うるさい隣人)があった時に、すぐ権力(警備員)に頼るのではなく、自分で解決しよう。また自分の行動にaccountabilityを持って、相手のことを考えよう。自分たちで(self)責任を持って自らを統治しよう(govern)、みたいな感じでしょうか。

なんだか、上記のくだらない例だと当たり前じゃん、ってなると思います。self-govって結局どういう意味を持つのか、少し考えてみました。

グリネルで全ての人が快適に暮らせる環境は現実には整っていない。その時には、学生自らが戦い、その権利を勝ち取るしかないのかもしれません。それこそが、self-govということなのではないでしょうか?だから、学生の意見が反映されていない大学運営の決定には全力で立ち向かうのがグリネル生だし、社会に出て、社会の「決まり事」に立ち向かうのもグリネル生なのかな、と考えます。CRSSJ移転問題を解決すべく学生が全力で戦ったのが良い例だと思います。

Self-governanceを養って、安易に「体制」や「前提」に迎合せず、一握りの人間だけが利益や幸福を享受する仕組みと戦うのがグリネル生の精神なのかな、と最近感じています。

だから、僕は「社会のためになることってどういうことか分からない」「年収トップ10%のエリートの仲間入りしたい」「ビッグになりたい」みたいなことを考えている人にこそグリネルに来て欲しいと思います。

まとめ

当然、グリネルは完璧ではありません。しかし、欠点があるからこそ、それについて考える機会があるのだと思います。さらにグリネルなら、考えて、それを行動に移すことができる環境が整っています。

思っていることをバーっと書いてそのまま投稿しちゃったので支離滅裂かもしれませんが(笑)、質問・異論・反論・意見などがあれば、遠慮なくコメントやお問い合わせフォームにて連絡いただければと思います。

ではまた。

コメント

  1. さくらはなこ より:

    「一握りの人間だけが利益や幸福を享受する仕組みと戦うのがグリネル生」
    かっこいいですね。

    よいと思うよ。