虹にも雨にも

今学期も苦しい期末期間を乗り越えて、無事に私の大学生活の前半戦が終わった。

今年はお世話になった多くの先輩が卒業するということだったので、日本に帰る前に卒業式に行った。「行った」と言っても、寝坊して、最初の方のスピーチなどは全く聞かず、結局ステージで卒業生が卒業証書をもらうところしか見ていないのだが、最後にPresident Raynard Kingtonが言っていた言葉が心に響いた。他の生徒や卒業生は「ただの綺麗事だ」と言うかのように苦笑いで聞いていたが、卒業式ぐらいしんみりしてもいいだろうと思い、私は、それが気持ちがこもっていなかった言葉だったとしても素直に受け止めることにした。

グリネルでの良い思い出も悪い思い出も大切にして欲しい。

President Kingtonは卒業生に、グリネルでの良い思い出はもちろん、悪い思い出も大切にして欲しいと言っていた。グリネルでの悪い思い出は、卒業生でなくても、グリネル生であれば絶対にあると思う。例えば、私はこの前母に、グリネルの期末期間中の自分の状態のことを「ガソリンが切れている車を一人で押して山の上まで持っていくような感じ」と言った。というのは、グリネルではたくさんのことを学び、すごい人に出会える分、本当に限界を押されて苦しい時も少なからずある。President Kingtonはそういう思い出もグリネルでの経験の一つとして覚えておいて欲しいと言っていた。

場所というのは自分の経験で彩られる。嬉しいことがあった場所は、薔薇色に染まり、悲しいことがあった場所は、冷たい青色になる。でも、大抵の場所はいろいろな思い出が詰まって行き、単色というよりは、色がどんどん混ざった場所になる。きっと自分にとってグリネルもそんな場所になるのだろう。でも、私が卒業する時に、そんな複雑な色になったグリネルを見て、綺麗だと思えるように、残りの大学生活の良い経験も悪い経験も精一杯楽しみたい。

まよ