②生物化学のMAPとは?

*MAPについての簡単な説明を読みたい方は、前回の「⓵MAP参加してきました」を読んでください*

前回少し書きましたが、私は今年の夏休みに生物化学のMAPに参加していました。 研究グループは私を含めて4人で、生物化学の研究室を借りて、自分たちの研究を行いました(終身在職権を持つ教授は自分の研究室を持っています)。 今回はMAPに実際に参加してみてわかったことを書いてみたいと思います。

MAPの流れ

化学・生物化学のMAPは10週間続きます。一週目は研究に関する論文を読んで、自分の研究を組み立てます。それから最後の一週まで研究をして、10週目には研究の発表日があります。週に何回かイベント(tea time, ice cream social)などもありましたので、気分転換する時間もありましたね。

MAPの1日のスケジュールですが、本来こんな感じです:
8時 — ラボに行って研究開始
12時— 昼休み
5時(?)— 片付け・帰宅

教授によって始まる時間と終わる時間は違いますが、朝8時から夕方5時まで、8時間くらい働くのが本来のスケジュールです。

私の場合ですが、実のところそれ以上働いていました。 研究内容から8時間ではなかなか終わらなかったので、よく残業していましたので。 生物化学の研究を行っていたグループはもう1組あって、彼らもよく夜中すぎまで実験室にいました。

「なぜそこまで働くの?」

と友達に聞かれたのですが、一つは自分がどこまで出来るか限界を知りたかったからだと思います。 実験で初めて失敗した時は少し落ち込みましたが、失敗を何回も繰り返していくうちに、「また失敗した」よりも「なぜ失敗したのか」と考えられるようになりました。 落ち込んでいるだけでは前に進めないし、悔やむことは、ただ時間の無駄だと悟りました。

あとはですね、そこまで頑張れたのは、プロジェクト担当の教授に対して尊敬の念があるからだと思います。

これは心からそう思っているのですが、私の教授はとても優秀な方だと思います。 頭の回転が早いだけではなく、精励恪勤な方で、教育に対してもとても熱心な方です。 常に真剣に指導してくださる教授に対して自分ができる最低限のことは、学べられるだけ学ぶことだと思っています。

大学のみならず、これまでの学生生活を振り返ってもそうですが、指導者が教える気が無ければ、生徒も学ぶ気にはならないと思っています。あくまでも個人的な感想ですが、授業の内容によほど興味がない限り、教える側の心が入っていない授業は、とてもつまらないものだと思います。

とは言っても、働きすぎは良くないと思います。 疲れが溜まりすぎると、体がだるくなり、逆効果なので、何事もほどほどにすることですね。 バランスが大切だということも、この夏つくづく学びました。

週に何回かあったイベントが、溜まる疲れを癒す気分転換になったのですが、具体的に上げてみますと、毎週水曜日にはMAPの生徒たちが順番に担当してお茶会を開きました。 お菓子、果物、お茶、コーヒーを揃えたイベントで、他の専門の生徒と一緒に話ができたので、自分の研究以外のことを聞くことができました。研究以外にも、のんびり韓国ドラマの話とか、日常生活の話などもしました。週末には友達と集まったりして、夕食を一緒に食べたりしました。

持ち寄りご飯(Potluck)!みんな違う料理を作って、一緒に食べました(⌒▽⌒)

私の研究グループは他のグループと少し変わっていて、毎週月曜日は教授が朝ごはんを作ってきてくださいました。健康的な朝ごはんを食べながら、新しい論文を読んだり、先週の研究結果を報告しました。食事付きだったので、辛い月曜日もなんとなく楽に感じました(笑)

教授の手作り朝ごはん(PC:RY)

教授から頂く朝ごはんのお礼代わりに、私たち(生徒のみんな)は金曜日の午後におやつを準備しました。教授は金曜日の午後に短い“授業”を行いました。授業というよりも、私たちの研究を手伝うための補習みたいな時間で、データの集め方、化学的な説明などもしてもらいました。聞いた限り、他の研究グループではこのようなことはしていなかったようです。英語で言うと:We were always kept on our toes ですかね。

研究は確かに大変でしたけど、やりがいはあった気がします。一つのことに集中してできたことは意外と楽しかったと思います。けれど、実験室に長時間いるのは自分に向いていないかもとも思いました。他の人と話す機会が少なかったのもあり、できればもう少し自由な時間が欲しかったです。まだバランスをうまくつかめていないだけかもしれません。

今回MAPに参加して後悔はしていません。研究することが自分に向いているかを知る良い経験だったと思いますし、新しいことに手を出してみることは、自分が成長できる良い機会だと思っています。もし理系の専門を選んだ場合、研究する機会を探してみると良いですよ。

では、また次回〜