【卒業生投稿シリーズ第一弾】グリネリアンが社会に出て

皆さん、お久しぶりです。初めての方は、初めまして、タカヒロです。2017年5月にグリネルを(なんとか)卒業して、2017年9月から東京にある外資系コンサルティング会社で社会人をやっています(在学時代の拙い記事はこちらにあります…読んでいて恥ずかしい…)。

運営長に、卒業する前に何か書いてほしいと頼まれたような気がして、ずっと放置してましたが(ごめんなさい?)、ふと思い出して、もう在学していないにも関わらず図々しく書かせていただきます(許してください)。勝手に卒業生投稿シリーズ作りました、ごめんなさいm(__)m

さて、なぜいきなり記事を書こうと思ったかというと、(聞かれてもいないが)自分の近況を報告(誰に?)したいなと思っていました。また就職して5か月ほど経ち、少し心の余裕ができて、ぼんやりと考え事をすることが増えたので、少し自分の考えをだらだらと書いていきたいと思います。

という、どうでもいい前置きはさておき・・・最近、グリネルの友達に、「社会人生活はどう?」と聞かれるので、それについて少し。

まず自分は今、製薬企業のマーケティング・営業向けの外資系コンサルティング会社に勤めており、主に営業組織の再編に関するプロジェクトに携わっています。というとカッコよく響きそうですが、実際には、「(算数を使って)クライアント企業にとって(利益最大化のために)最適な営業人員数を計算し、提案する」という仕事をしています(「数学」ではなく、「算数」というのがミソです)。更にカッコ悪く言うと、毎日パソコンと睨めっこして、ExcelやPowerpointをカチャカチャいじる仕事をしています(夜の2時くらいまでカチャカチャすることもたまに)。

こんなことをやっているんだ、とグリネル生に話してみると、実に面白い回答が返ってくることが(あるかも)。

例えば、グリネルの思想に染まった人間なら、こんなことを言ってくるかもしれないです。

「利益最大化を目指す資本主義は搾取の上に成り立っていて、富が不均等に配分されて~ごにょごにょ~、つまるところ資本主義はクソ。資本主義に加担するお前はクソ。」

「製薬企業のために働いてる?!製薬は資本主義の権化。(以下同)」

「流石Japanは働きすぎだね笑。Karoushiすんなよ!」

などなど。実際にこんなことを言われたことは、ありません笑。というより、自分の心の声なのかな、なんて思っちゃいます(良く言えば、グリネルでは「当たり前」を問い、現在の社会を常に批判的に捉えることを学べます)。

少し真面目な話をすると、実際に、ビジネスに身を投じていることに対する葛藤は少なからずあります。なんだか自分が身を置いているビジネスの環境って人間味が少し足りない気がするんです。企業という組織で働く人たちが、「利益」という数字に踊らされて、支配されて、代わりに色々なものが犠牲になっている気がしてしまいます。まあ、そんなことは本でも読めば分かることなんですが、いざその環境にいると、あまりの生々しさに少し苦しさを感じてしまいます。製薬企業は、人の命を救う薬を作っているから良いじゃないか、なんていう考えもありますが、自分はどうにも100%納得はできません。だって、クライアントのオフィスに行くと意味もなく豪華なんです。賃料の高そうなおしゃれなビルにオフィスを構えて、無駄にだだっ広い受付を置いて・・・人助けをする薬で得た利益はこんな無意味なところで使われるのか、と幻滅したり・・・そのくせに社長は、OO病の人を救いたいって本気で言う。なんなんだろう、ともやもやしてしまいます。

そんな葛藤を抱きながら、深夜までオフィスでクライアント様のために資料を作り、会社のお金でご飯を食べ、会社のお金でタクシーに乗って家に帰り、会社からもらった給料で払っているマンションに帰って寝るわけです。確かに、金銭的には毎月豊かになっていきます。その分「良いマンション」に住み、「良いレストラン」でご飯を食べ、「良い服」を買うことができるようになります。

でも、そんな幸せって意味があるのかな、なんて考えてしまいます。ただコンシューマリズムに囚われて、消費者として資本主義の歯車になっているだけなのではないかと。うーん、でも美味しいものは食べたいし、狭いマンションじゃ窮屈だし、って考えてしまう自分もいます。つまり、自分は歯車であることを自認した上で受け入れているのでしょうか?正直、今の僕にはわかりません。

そんなこんなで、だらだらとぐるぐると思い悩んで、結局は次の日も会社に行くのです。資本主義に負けたんでしょうか?

まあ、今の自分に答えられなくてもいいかな、とも思います(開き直って)。あんまり生き急ぎず、じっくりとゆっくりと考えて、これからの長い社会人生活を決められたらな、なんて最近は考えています。

でも、それをそれとして片付けるだけでは面白くない。資本主義の歯車なりに、もっと直接的に分かりやすく世の役に立ちたいという思いがあります。なので、自分の今所属している会社でCSR(Corporate social responsibility)・プロボノ活動を立ち上げたいと考えています(今までなかった方が驚きかもしれませんね笑)。それは、ボランティアかもしれないし、NPOに対する無償コンサルティングかもしれないし、とにかく、自分がこれまでに身に着けたスキルなり技術を活かして何か「イイ」ことができることがあると信じて、今社内で仲間を集い、代表に直訴し、進めています。

キャピタリズムに対する「悪足掻き」として。